友ありき 与謝蕪村

小説・詩人の生涯。名句、誕生ものがたり

 

 

 友ありき 与謝蕪村

 

 

    渡辺 洋

 

 

2016年9月16日刊行 A5変型判 上製322

本体定価2600円 ISBN978-4-906791-61-3C0095

   さみだれや大河を前に家二軒

 

 人生航路のどんなひとコマを背景に名句は誕生したのだろうか。宇宙大のスケールで「しじま」を言いとめた、蕪村・句作ものがたり。

 俗塵を離れて風雅に生きることを願いつつ、恋に悩み、貧困を呪い、結社の葛藤に懊悩する人間、蕪村。自らの出自への思いをうたいあげる、晩年の抒情詩の傑作「春風馬堤曲」まで、その漂泊の歩みを追う。時代に先駆けた詩人の謎多き生涯の全体像に迫る小説・与謝蕪村。

 

 

  菜の花や月は東に日は西に

目次

第一章        下総結城の頃

第二章      与謝の海

第三章      夜半亭二世

第四章      俳諧三昧

第五章      郷愁の詩人

 

第六章      王維の境地

著者紹介

渡辺 洋(わたなべ・ひろし)

 

1941年生まれ。福岡県八女市出身。京都大学農学部卒業、同大学大学院博士課程修了。同大学助手、講師を経て、神戸大学教育学部教授、2001年退官。専門は応用遺伝学。植物の新品種育成など、バイオテクノロジーに関する論文多数。評伝に、『悲劇の洋画家 青木繁伝』(小学館文庫、2003年。1988年、筑摩書房より『底鳴る潮──青木繁の生涯』として刊行したものを、大幅に加筆・改訂)がある。