転換期の名著『新しい学』の祖型を示す、ヴィーコ、普遍探究の古典!
普遍法
ジャンバッティスタ・ヴィーコ 著
上村忠男 編訳・註解
5月25日刊行 四六判・上製 384頁
本体3600円 ISBN978-4-910154-33-6 C1010
古典『新しい学』の実質上の第一稿──普遍はいかにして成立したのか。
ローマ法の具体的な展開過程に即して文献学の改革を志向した
バロック人ヴィーコ、その『新しい学』の祖型が示されている。
中世と近代との吃水域で育まれた思考、それは骨太な論理と豊かな情念に
富み、近代の土台と骨組みとを逆照射してくれる。転換期に新しく登場した
現実と量りあうことのできる知の多元性とダイナミズムとを模索した記録。
もう一つの近代へ。
プロローグ 上村忠男
『普遍法の梗概』
普遍法
著作の序言
第一巻 普遍法の単一の原理と単一の目的
第二巻 法律家の一貫性
第一部 哲学の一貫性
第二部 文献学の一貫性
エピローグ 上村忠男
補論 上村忠男
上村忠男
1941年生まれ. 専攻, 学問論・思想史. 東京外国語大学名誉教授.
著書:『ヴィーコの懐疑』(みすず書房, 1988), 『クリオの手鏡──二十世紀イタリアの思想家たち』(平凡社,1989, 後に増補新版『現代イタリアの思想をよむ』平凡社ライブラリー, 2009), 『歴史家と母たち──カルロ・ギンズブルグ論』(未來社, 1994), 『ヘテロトピアの思考』(未來社, 1996), 『バロック人ヴィーコ』(みすず書房, 1998),『歴史的理性の批判のために』(岩波書店, 2002),『歴史の解体と再生』歴史を問う6(編著, 岩波書店, 2003), 『グラムシ 獄舎の思想』(青土社, 2005),『ヴィーコ──学問の起源へ』(中公新書, 2009),『知の棘──歴史が書きかえられる時』(岩波書店, 2010), 『回想の1960年代』(ぷねうま舎, 2015). このほか訳書に, ジャンバッティスタ・ヴィーコ, アントニオ・グラムシ, カルロ・ギンズブルグ, ジョルジョ・アガンベン, ガーヤートリー・チャクラヴォルティ・スピヴァクのものなど多数.