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新刊

2017年

4月

25日

クザーヌス 生きている中世──開かれた世界と閉じた世界

中世を鏡として、現代の世界をトータルに捉え直す

  ──大きな物語の改訂に向けて

 

クザーヌス 生きている中世

    開かれた世界と閉じた世界

 

八巻和彦

 

2017425日刊行 ISBN978-4-906791-68-2 C1010

A5判・上製 510頁 本体予価5600

 

■ 壮大な転換期に違いない現代の世界を、構造的にとらえ、新しい世界のヴィジョンを描くことは可能だろうか。グローバリズムとナショナリズムの台頭、

IT社会と格差社会、大きな物語の崩壊と断片化する知識……。

 15世紀中世、旧世界の破局を目の当たりにしたニコラウス・クザーヌスの格闘を鏡として、今日のさまざまな破綻の様相を照らす。古い神学体系に抗い、近代への転回を促したとされるクザーヌスの思想の秘密はどこにあったのか。

 

 

■ 老子の道とクザーヌスの覚知的無知、西田の絶対矛盾的自己同一とクザーヌスの反対対立の合致──自己相対化を受け入れ、他者に開かれたあり方こそ、クザーヌスの創造性を保証するものであった。現在の世界規模の自閉と暴力とを超えて、平和と共存への新しい物語を紡ぐために。

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2017年

3月

02日

香山リカと哲学者たち 明るい哲学の練習 最後に支えてくれるものへ

哲学のヒッチハイク・ガイド。いま、いちばん大切なものって……

 

香山リカと  明るい哲学の練習

哲学者たち  最後に支えてくれるものへ

 

 

中島義道・永井均・入不二基義・香山リカ

 

324日刊行予定 四六判・240頁 本体2000ISBN978-4-906791-67-5 C0010

 

精神科医、香山リカが三人の哲学者の懐に飛び込んで、究極の「なぜ」を連発。    

  いまの生き苦しさはどこからきているの? 

  絶対に正しいことって、この世に存在するの? 

  思想って生きるために必要なの? 

 

 

レスリングと瞑想と「死と哲学」と……、もう一つの哲学の顔が見えてきた。

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2016年

12月

19日

ベルリン アレクサンダー広場 フランツ・ビーバーコプフの物語

これが破滅的な世界戦争を控えた、20世紀という時代の始まりだった

 

アルフレート・デブリーン

 

ベルリン アレクサンダー広場

フランツ・ビーバーコプの物語

小島 基

 

 

2017年125日刊行 ISBN978-4-906791-65-1 C0097

                                          A5変型判・544頁 本体4500円(税別)

 

 ジョイス『ユリシーズ』やムージル『特性のない男』と並び称される大長編の画期的新訳。ナチスの足音が聞こえる、ヴァイマール期ベルリンの下層社会を舞台に、一人の男の没落と死、そして再生を描く大都市小説。モンタージュという前衛的な手法をもって分厚く編み上げられた精神の現実、「赦し」とは何か。

 

 訳者自身の青春の言語であった川崎・鶴見周辺の方言を駆使して、盗賊や娼婦たちがうごめく猥雑な都市空間を生き生きと立ち上がらせる。

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2016年

9月

15日

友ありき 与謝蕪村

小説・詩人の生涯。名句、誕生ものがたり

 

 

 友ありき 与謝蕪村

 

 

    渡辺 洋

 

 

2016年9月16日刊行 A5変型判 上製322

本体定価2600円 ISBN978-4-906791-61-3C0095

   さみだれや大河を前に家二軒

 

 人生航路のどんなひとコマを背景に名句は誕生したのだろうか。宇宙大のスケールで「しじま」を言いとめた、蕪村・句作ものがたり。

 俗塵を離れて風雅に生きることを願いつつ、恋に悩み、貧困を呪い、結社の葛藤に懊悩する人間、蕪村。自らの出自への思いをうたいあげる、晩年の抒情詩の傑作「春風馬堤曲」まで、その漂泊の歩みを追う。時代に先駆けた詩人の謎多き生涯の全体像に迫る小説・与謝蕪村。

 

 

  菜の花や月は東に日は西に

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2016年

7月

25日

坐禅入門 禅の出帆

ヨーロッパでの禅指導の経験から、坐禅の具体的な作法と心がまえとを

 

坐禅入門  禅の出帆

 

佐藤 研

 

2016825日刊行 四六判・上製246頁 

本体定価2300円 ISBN978-4-906791-60-6 C0014

 

 ヨーロッパで禅を指導する著者による、経験を踏まえた渾身の「悟り入門」。

 手と足をどう組むのか、呼吸はいかに整えるのか、坐ると何が見え、どんな経験をすることになるのか──坐禅の具体的な手ほどき。

 坐るという道で開けてくる風景を、キリスト教の異なった伝統とすり合わせ、またヨーロッパへと海を渡った禅のダイナミックな動向を参照しながら描いていきます。

 

 本来は言葉が届かないはずの純粋な経験を、世界が変わるその素晴らしさと豊かさを、少しでも多くの人と共有するために、三つの鏡を使い、五つの層にわたって再現します。

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2016年

5月

20日

ミケランジェロ周航

自由の伝道者か、狂気の芸術家か

 

ミケランジェロ周航

 

坂口昌明

 

 

 

2016623日刊行 四六判・上製240頁 

本体定価2800ISBN978-4-906791-58-3 C0071

 

  謎多き巨人、ミケランジェロの『システィーナ礼拝堂天井画』と祭壇画『最

 後の審判』、そして詩集『リーメ』……在野の詩人・民俗学者である著者が、

 定説にもたれず自らの足と目で作品と向き合い、その精神の秘密に肉迫する

 旅。

 

■ あらゆる局面で行き詰まりをみせる混沌とした時代にあって、ミケランジ

 ェロはどのような意味で真に新しい精神の旗手たりえたのか。その本当の闘

 いの場はどこにあったのか。

  ルネサンスに匹敵する壮大な転換を生きつつある21世紀のわれわれに託

 

 された、著者渾身の遺書。

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2015年

12月

21日

民衆の神 キリスト──実存論的神学完全版

日本発、独創的な神学思想──民衆宗教としてのキリスト教。

  

民衆の神 キリスト

  ――実存論的神学完全版

 

 野呂芳男

20151218日刊行 A5判・上製400頁 

本体5600ISBN978-4-906791-52-1 C1014

 

    1960年代刊の往年の名著を改訂し、書き下ろしの二つの章を増補した、生

 前の著者自身の構想に基づく完全版。ここにオリジナルな宗教思想の全容が

 姿を現す。

 

    ブルトマン、ティリヒ、カール・バルトらとの批判的対話を通して、神と

 人間との人格的な応答関係を中心とする、独自の愛と決断の神学を築き上げ

 た。絶対的としての排他的な神との関係構築を目指すエリート神学ではなく、

 「究極的な」神への憧れに立つ開かれた宗教へ。

  プラトン、カタリ派、そして仏教に見られる輪廻転生の思想を視野に収め

 

 た、挑戦する神学。

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2015年

10月

13日

“ふつう”のサルが語るヒトの起源と進化

ヒトがサルからもらったもの──サル学が描く原始人類社会のモデル

 

“ふつう”のサルが語るヒトの起源と進化

 

中川尚史

 

20151120日刊行 四六判・状勢16頁 

本体2300ISBN978-4-906791-51-4 C0045

 

■ ニホンザルの抱擁行動は、サル社会の何を反映しているのでしょうか。自己意識の発生? ヒトとともに長い足に進化したパタスモンキーは、その進化をもたらした条件について、何を語ってくれるのでしょうか。

 

■ 抱擁を含む接触行動と採食行動、また生育集団から出てゆくワカモノオス・ワカモノメスの行動半径、これらから浮かび上がる初期人類の社会構成とは。一夫多妻、多夫多妻、それとも一妻多夫? 父系、あるいは母系?

 サルからヒトは何をもらい、何を捨てたのかを考えます──サル学の冒険。

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2015年

8月

28日

グノーシスと古代末期の精神 全2冊 Ⅰ 神話論的グノーシス

グノーシス探求の基本文献、遂に完訳なる!

 

ハンス・ヨナス

グノーシスと古代末期

の精神 2

 大貫 隆

 

第一部 神話論的グノーシス

             

第二部 神話論から神秘主義哲学へ 

10月中旬刊行予定

  

 

 

918日刊行 A5判上製 566頁 本体6800円 ISBN978-4-906791-49-1 C1014

 

■ 壮大な転換期であった古代末期に、広範に広がった思想運動。この埋もれた潮流の宗教的・哲学的含意とは何だったのか。東方的な要素と古代ギリシア思想の水脈、さまざまな色彩をもつ教派の核心を構造的・存在論的に解明する。

 

■ グノーシス主義のダイナミズムと革命的な意義とを新しい思考財として、第二次大戦とホロコーストに至った西洋文明と対峙しようとする。文字通り、血で書かれた記念碑的大著。

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2015年

6月

22日

この女(ひと)を見よ 本荘幽蘭と隠された近代日本

言葉が追いつかない一人の女性──日本近代の埋もれた顔

この(ひと)を見よ

本荘幽蘭と隠された近代日本

 

江刺昭子・安藤礼二 編著

 

7月23日発売 ISBN978-4-906791-47-7 C0023

四六判・上製 232頁 本体2300

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2015年

3月

30日

回想の1960年代

革命の夢と挫折、青春の歌と迷い──書き下ろし「青春の自伝」

 

回想の1960年代

 

上村忠男

 

4月23日刊行 ISBN978-4-906791-44-6 C0023

四六判・上製 260頁 本体2600

 

■ 60年安保闘争から「学生叛乱」前夜の68年へ、革命の夢とともに、い

 つも歌が流れていたあの頃。高揚と歓喜と、挫折と昏迷と……歴史になろう

 とする時代への愛惜をつづる。

  政治の季節に深くコミットしながら、知識人として自己形成していく、「紆

 余曲折に満ち、なんどか苦い挫折を味わうことになった」青春の記録。

 

■ 変革の論理への懐疑、この世界に知的に向かい合う近代的な理念への批判

 と、それに代わる「新しい言葉」への模索の行き詰まり──今日の状況への

 転回点となった60年代とは何だったのか。

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2015年

2月

18日

養生訓問答 ──ほんとうの「すこやかさ」とは

健康ブームが見落としているもの──死への備えとしての、生=死の技法

 

養生訓問答 ──ほんとうの「すこやかさ」とは

 

中岡成文

 

320日刊行 四六判・並製 210頁 

本体1800円 ISBN978-4-906791-43-9 C0012

                           

 貝原益軒『養生訓』を多角的に読む。東方の知恵にきく、「すこやか」に生き、そして死ぬための技術とは。食、性、病、介護問題から医療制度まで、人と事例に即した、柔らかな配慮に基づく「精(くわ)しい」ケアのあり方を探す。自分と向き合い、人と向き合うために、何をしてはならないかを確かめる仮想の「養生問答」、そのテーマは……

・ 何のための節制と我慢なのか。

・ 養生のはてにある、大いなる「楽」とはいったい何か。

・ 元気の「気」とはどんなものなのか。

・ 習慣というスタイルをつくる、「小文字」のケアとは。

・ 薬と、いかに付き合うべきか。

・ 「中医」(中程度の医者)がよいというのはほんとうか。

・ 健康は、国家が管理すべきものなのか。

・ 洋の東西で、健康観・死生観・宇宙観はどう違うのか。

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2015年

2月

18日

神の後にⅡ 第三の道

原理主義とグローバリズム、地球環境の崩壊と投機資本主義……破局のシナリオを突破する道とは!

 

マーク・C・テイラー

神の後にⅡ 第三の道

須藤孝也

 

313日刊行 A5判・並製 236頁 本体2800ISBN978-4-906791-42-2 C0014

 

 破局の予感をはらんで高速に回転する世界の現在の外に出る。ブレークスルーの第三の道を拓く、不可能な挑戦へ! 

 湾岸戦争から9・11へ、妥協のない対決の道を呼び出してしまったアメリカの現在を素材として、その歴史的由来と思想史的な背景を捉え、必死に〈希望〉をたぐり寄せようとする。 

 神のない宗教/絶対性のない倫理への狭き門は、どこにあるのか。どん詰まりの〈現代〉を思想史に位置づけ直し、再び〈希望〉を学ぶ。未来の世代に、突破の可能性を残すために。

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2015年

1月

22日

神の後にⅠ 〈現代〉の宗教的起源

マネゲーム、ネット仮想社会、地球環境破壊、ネオリベ、新保守主義……〈現代〉の起源はここにある!

 

マーク・C・テイラー

神の後にⅠ 〈現代〉の宗教的起源

須藤孝也

 

220日刊行 ISBN978-4-906791-41-5 C0014

 A5判・並製 226頁 本体2600

 

【後篇『神の後にⅡ 第三の道』は313日発売】

 

    破局の予感が、いま・そこにある。自然環境、政治経済、宗教文化、そし

 て思想の現在……私たちを取り巻く世界の現在を、思想の言葉で捉え直す。

 一人の宗教思想家が、この危機を壮大な歴史的展望のうちに位置づけ、突破

 のための第三の道を提案する。

 

    経済のネオリベ、政治のネオコン、世界同時的な右傾化と保守化の背後に

 は何があるのだろうか。ヘーゲルとキルケゴール、ハイデガーとデリダ、複 

 雑性の科学とシステム論……思想史の運動を、一つのヴィジョンをもって捉

 え、次なる未知のステップを描き出す。

 

    神のない宗教/絶対性のない倫理、〈あれもこれも〉の一元論と〈あれかこ

 れか〉の二元論に代わる、〈あれでもなくこれでもなく〉の関係主義の立場─

 ─地球環境破壊から宗教的右派の問題まで、この現実と量り合うほどの思想

 のリアリティを回復することは可能か。新たな挑戦。

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2014年

10月

14日

おじぎをした なつめやしの木

クリスマス絵本

「おばあちゃんのおはなし・その2

 

文と絵・司 修

 

おじぎをした なつめやしの木

 

20141024日刊行 A546頁 上製

本体価格1600円 ISBN978-4-906791-37-8 C0793

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2014年

10月

14日

ラーゲルレーヴの おばあちゃん

クリスマス絵本

「おばあちゃんのおはなし・その1」

 

文と絵・司 修

 

ラーゲルレーヴの おばあちゃん

 

20141024日刊行  A546頁 上製

本体価格1600円 ISBN978-4-906791-36-1 C0793

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2014年

10月

14日

イシュア記

異貌のイエス、福音書に書かれなかったこと

──小川国夫の聖書世界が、ここにその全容をあらわす。

 

小川国夫

 

イシュア記 新約聖書物語

 

201411月21日刊行 四六判 554頁 上製・函入り

本体価格5,600円 ISBN 978-4-906791-39-2 C0093

 

 前著『ヨレハ記 旧約聖書物語』に続いて、作家小川国夫が終生をかけて書き継ぎ、その多くが未刊のままに残された「新約聖書物語」を集成する。

 ここに、独自の福音書の読み込みをもってする、キリスト教文学史に類例のないイエス像が刻み出された。

 イシュア、〈あの人〉、そしてユニア……神の働きが臨み、人間の世界に生まれた三つの渦潮。すべてを受け入れる者、疑いにその心を苛む者、嫉妬に身を焼く者、それぞれの全存在を賭けた闘いが、水晶に彫られたレリーフのように硬質な光沢を放つ。

 宗教は、キリスト教は、なぜ発生し、人をどこへ連れて行こうとするのか。一人の作家に抱かれた問いが、その生涯においてどのように変奏され、湧出と曲折と逸脱の痕跡を残したか。ここにあるのは、人間の条件をめぐる神と人との対話であり、血で書かれた小川国夫の福音書である。

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2014年

10月

14日

マルブランシュ

 

哲学史の欠落を埋める、本邦初の本格的な思想論

 

依田義右

 

マルブランシュ 認識をめぐる争いと光の形而上学

 

20141024日発売予定 A5判 745頁 上製 

本体価格8000円 ISBN 978-4-906791-38-5 C3010

 

 時代は西欧17世紀、近代のとば口に立って、科学・数学を支える新しい自然認識論と、信仰および光の形而上学とを融合させようとした思想的苦闘の全貌を描き出す。

 アウグスティヌスに、あたかも乳母の乳のように養われ、かつその思想を会得したオラトリオ修道会の神父にして数学者・形而上学者、のちにデカルトの思想に共鳴し、「機会原因論」という独自の立場を構想した認識の哲学者──デカルト哲学を梃子として、中世的自然観から離脱した近代認識論という簡明な図式からはこぼれ落ちてしまう、理性と信仰、合理と非合理をめぐる、多様にして奥行きの深い知の闘いがここにはあった。

 デカルト哲学を継承する同じ立場に立ちながらの、アントワーヌ・アルノーとの論争、イギリス経験論の大立者、ジョン・ロックとの認識をめぐる対決──精細に再現された、三つどもえの火花をちらす「争い」の中から、科学革命に向かう西欧近代が何を乗り越え、かつ何を切り捨てなければならなかったのかが具体的に見えてくる。

 「神の内にすべてを見る」という認識論の意義と、それを根底で支えた光の形而上学とを明るみに出し、日本における哲学史・思想史の欠を埋める、初の思想評伝。

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2014年

8月

21日

ちいろば園と歩んだ25年──障がい者と「共に生きる」社会を目指して

障がい(児)者の優しさに生かされて

 

高見敏雄

 

ちいろば園と歩んだ25年

  ──障がい者と「共に生きる」社会を目指して

2014925日刊行 四六判・上製 210

本体価格1800円 ISBN978-4-906791-35-4C0037

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2014年

8月

21日

破局のプリズムーー再生のヴィジョンのために

 

カタストロフィの解読──それでも生きよう、と言える思想のために

 

西谷 修

 

破局のプリズム

  ──再生のヴィジョンのために

2014925日刊行 四六判・上製 260  

本体価格2500円 ISBN978-4-906791-34-7 C0010

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2014年

7月

22日

津軽 いのちの唄

 

現代が失いつつある、いのちの輝き──愛惜の東北論

 

坂口昌明

 

津軽いのちの唄

2014820日刊 四六判・上製 280

本体価格3200ISBN978-4-906791-33-0  C1039

■ じょんから節、弥三郎節、よされ節……津軽三味線の調べにのった民謡のい のちの輝きは、どこからくるのだろうか。

■ 無名だった高橋竹山の独演会を主宰し、正調弥三郎節、最後の伝承者の唄を聞いた。

 著者はそれを制外歌だという。つまり、いっさいの権威づけや社会的認知とは無関係の、いのちの唄なのだ、と。それはあたかも、闇中の岩木山を集団登頂し、再生の喜びをともに爆発させる、お山参詣と同じ宇宙の鼓動なのだ。

■ 北の大地からのまなざしで日本民俗学の視点を転倒し、現代が失ったものを照らし出す、愛惜の東北論。

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2014年

5月

14日

アフター・フクシマ・クロニクル

あれから世界は変わった。破局のドキュメント。

 

西谷 修

アフター・フクシマ・クロニクル

2014620日刊行 四六判・半上製 210

本体価格2000ISBN978-4-906791-31-6 C0010

 

■ あのとき、社会はどう動き、政治は何をし、文化はどんな顔をしてみせたか──カタストロフィを記録する。移ろう状況と真剣に向き合うこと、それがそのまま思想の崖っぷちに立つことだった。

■ 決壊したのは、豊かな資本主義、科学文明の進歩、明るい未来という幻想だ。そして人々は、瓦礫となった世界像を前に、新しい価値を手探りしなければならない。

  千年の曲がり角の由来と、生きることの意味を探す、破局の小形而上学。

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2014年

4月

14日

幽霊さん

 

「生きよ!」と幽霊さんがつぶやく。物語・大洪水の後に。

 

司 修

幽霊さん

2014年6月6日刊行四六判・半上製 210

本体価格1800円 ISBN978-4-906791-30-9 C0093

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2014年

3月

18日

自給自足という生き方の極意

脱サラ、脱都市の極意……土に降りる、力まず、腐らず、逃げず

 

小林和明

自給自足という生き方の極意

    農と脳のほんとう

2014年4月22日刊行 四六判・半上製 210

本体価格1800円 ISBN978-4-906791-29-3 C0036

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2014年

2月

18日

秘教的伝統とドイツ近代 ──ヘルメス、オルフェウス、ピュタゴラスの文化史的変奏

神秘主義的ヴィジョンの系譜と「近代」

 

 坂本貴志

秘教的伝統とドイツ近代

──ヘルメス、オルフェウス、ピュタゴラスの文化史的変奏

2014227日刊行 A5判・上製 340

本体価格4600円 ISBN978-4-906791-26-2 C1098

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2014年

2月

18日

知的障害福祉政策にみる矛盾――「日本型グループホーム」構想の成立過程と脱施設化

日本の知的障害福祉の問題点を、歴史的に検証する

 

 角田慰子

知的障害福祉政策にみる矛盾

──「日本型グループホーム」構想の成立過程と脱施設化 

2014221日刊行 A5判・上製 230

本体価格3600円 ISBN978-4-906791-27-9 C1036

 

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2014年

1月

17日

3・11以後 この絶望の国で――死者の語りの地平から

現代世界の骨組みを、その土台から問い直そう

──破滅のシナリオにあらがって

 

 山形孝夫・西谷 修

3・11以後この絶望の国で

  ──死者の語りの地平から

2014221日刊行 四六判上製 240

本体価格2500円 ISBN978-4-906791-25-5 C0014

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2013年

12月

31日

西田幾多郎と宗教

西田との対話を軸に生きた半生、著者渾身の一冊

 

岡 廣二

西田幾多郎と宗教

20131220日刊行 A5判・上製 380

本体価格5600円 ISBN978-4-906791-23-1

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2013年

12月

17日

禅仏教の哲学に向けて

英文遺著・本邦初訳。日本の宗教と芸術の最奥へ

 

井筒俊彦

禅仏教の哲学に向けて

野平宗弘訳  頼住光子解説

2014123日刊行 四六判・上製 380

本体価格3600円 ISBN978-4-906791-24-8 C1014

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2013年

11月

13日

ぽくぽくぽく・ち〜ん 仏の知恵の薬箱

尼さんにして落語家、ただいま売り出し中、マルコ姉さんの元気節

 

 露の団姫(つゆのまるこ)装画・もへろん

ぽくぽくぽく・ち〜ん

 仏の知恵の薬箱

20131220日刊行 四六変型判・175

本体価格1400円 ISBN978-4-906791-22-4

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2013年

10月

17日

親鸞抄

 

そのシンドさに親鸞が効く。仏法の根本思想を混沌の現代に。

 

武田定光

親鸞抄

2013年117日刊行 四六判・半上製 230

本体価格2300円 ISBN978-4-906791-21-7

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2013年

9月

20日

《魔笛》の神話学 われらの隣人モーツァルト

新しい解釈の冒険──モーツァルトの調べに隠された秘密に迫る

 

坂口昌明

《魔笛》の神話学

 われらの隣人、モーツアルト

2013年1022日刊行 四六判・上製 240

本体価格2700円 ISBN978-4-906791-20-0

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2013年

8月

20日

哲学の賑やかな呟き

私たちの同時代に生きる、オリジナルな哲学の舞台裏

 

永井 均

哲学の賑やかな呟き

2013919日刊行 B6変型判・380

本体価格2400円 ISBN978-4-906791-19-4 C1010 

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2013年

7月

24日

グロテスクな民主主義/文学の力

のグロテスクな現実と対決するために、同時代に投じる文学の紙つぶて

 

西永良成

グロテスクな民主主義/文学の力

  ユゴー、サルトル、トクヴィル

2013821日刊行 四六判・242

本体価格2600円 ISBN978-4-906791-18-7

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2013年

6月

18日

人でつむぐ思想史Ⅱ ゴルギアスからキケロへ

精神史のもう一つの文脈、懐疑論から

レトリックへ──思想史三部作第2弾

 

坂口ふみ

人でつむぐ思想史Ⅱ

ゴルギアスからキケロヘ

2013724日刊行 四六判・244

本体価格2500円 ISBN978-4-906791-06-4

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2013年

6月

18日

ナツェラットの男

小説「わたしの聖書」

──イェシューとはこんな男だった 

山浦玄嗣

ナツェラットの男

2013724日刊行 四六判・322

本体価格2300円 ISBN978-4-906791-17-0 C0093

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2013年

6月

05日

折口信夫の青春

謎とされてきた青春の足跡を追い、折口学生成の秘密に迫る 

 

富岡多惠子・安藤礼二

 折口信夫の青春

2013621日刊行 四六判・上製 280

本体価格2700円 ISBN978-4-906791-16-3 C0095

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2013年

5月

27日

となりの認知症

伝わらないこと、それは始まりです認知症と、希望をもって向き合うために

 

  西川 勝

となりの認知症

2013524日刊行 四六判・200ページ

本体価格1500円 ISBN978-4-906791-15-6

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2013年

3月

26日

『歎異抄』にきく 死・愛・信

生きてあることのとびきりの実感を──親鸞入門 

 

武田定光

『歎異抄』にきく 死・愛・信

2013419日刊行 四六版・262

本体価格2400円 ISBN978-4-906791-14-9

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2012年

10月

24日

小川国夫 『ヨレハ記』

血で書かれた未刊の超大作──宗教の発生

 

 

小川国夫

ヨレハ記

20121214日刊行 四六判・624

本体価格5600円  ISBN978-4-906791-10-1

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2012年

10月

16日

村山盛忠 『パレスチナ問題とキリスト教』

パレスチナ問題の本質から、世界の〈現在〉が見えてくる

 

村山盛忠

パレスチナ問題とキリスト教

20121115日刊行 四六判・193

本体価格1900ISBN978-4-906791-09-5

                        

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2012年

10月

16日

坂口昌明『安寿──お岩木様一代記奇譚』

イダコが語り継いだ東北版「安寿物語」

民俗文化の創造性と東北のパワー

 

坂口昌明

  安寿 お岩木様一代記奇譚

 20121015日刊行四六判・320

本体価格2900 ISBN978-4-906791-08-8

 

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2012年

9月

25日

坂口ふみ『人でつむぐ思想史Ⅰヘラクレイトスの仲間たち』

人にになわれた〈私〉という経験の物語。思想史三部作第1弾

  

坂口ふみ

人でつむぐ思想史I 

ヘラクレイトスの仲間たち 

20129月25日刊行 四六判・250頁 

本体価格2500 SBN978-4-906791-05-7

 

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2012年

8月

24日

富岡多惠子『ト書集』

人生の余白に書きつけられた、ひそかな〈思い〉。

ここに作家のすべてがある。

      

富岡多惠子

ト書集 

2012年8月24日刊行 四六判・220頁 

定価1800円 ISBN978-4-906791-04-0

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2012年

6月

28日

最後のイエス

Now Printing

真に愛するために

──信仰と理性の全重量をかけて、人間イエスを彫る

  

佐藤 研

最後のイエス  

2012年7月11日刊行  四・六判 228頁

本体価格2600円 ISBN978-4-906791-03-3 

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2012年

3月

23日

素数の歌が聞こえる

Now Printing

数論の鬼才が奏でるなつかしい愛の歌

──この世界のきらめく謎は「とんからりん」

  

加藤和也

素数の歌が聞こえる  

2012年6月22日刊行 B6判 186頁

定価1900円 ISBN978-4-906791-02-6 

 

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2012年

3月

01日

たどたどしく声に出して読む歎異抄

伊藤比呂美 たどたどしく声に出して読む歎異抄

江戸前・不良少女の舌とリズムが、親鸞の高揚と吐息と体温とを伝える 

 

伊藤比呂美 

たどたどしく声に出して読む歎異抄  

201246日 四六判・160 

本体価格1600円 ISBN978-4-906791-00-2

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2012年

2月

29日

ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語

ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語

人類最古の物語の一つが、神話的図像のマンダラの中によみがえった。

  

司 修 画・月本昭男 訳

ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語

2012年4月17日刊行 B6 判・284頁

本体価格2800円 ISBN978-4-906791-01-9 

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