神の後にⅠ 〈現代〉の宗教的起源

マネゲーム、ネット仮想社会、地球環境破壊、ネオリベ、新保守主義……〈現代〉の起源はここにある!

 

マーク・C・テイラー

神の後にⅠ 〈現代〉の宗教的起源

須藤孝也

 

220日刊行 ISBN978-4-906791-41-5 C0014

 A5判・並製 226頁 本体2600

 

【後篇『神の後にⅡ 第三の道』は313日発売】

 

    破局の予感が、いま・そこにある。自然環境、政治経済、宗教文化、そし

 て思想の現在……私たちを取り巻く世界の現在を、思想の言葉で捉え直す。

 一人の宗教思想家が、この危機を壮大な歴史的展望のうちに位置づけ、突破

 のための第三の道を提案する。

 

    経済のネオリベ、政治のネオコン、世界同時的な右傾化と保守化の背後に

 は何があるのだろうか。ヘーゲルとキルケゴール、ハイデガーとデリダ、複 

 雑性の科学とシステム論……思想史の運動を、一つのヴィジョンをもって捉

 え、次なる未知のステップを描き出す。

 

    神のない宗教/絶対性のない倫理、〈あれもこれも〉の一元論と〈あれかこ

 れか〉の二元論に代わる、〈あれでもなくこれでもなく〉の関係主義の立場─

 ─地球環境破壊から宗教的右派の問題まで、この現実と量り合うほどの思想

 のリアリティを回復することは可能か。新たな挑戦。

目次

第1章  宗教を理論化する        神の後にⅡ 第三の道 目次

 第2章 プロテスタント革命       第5章 真実の喪失

第2章  主体性と近代性          第6章 真実の復活

第4章 宗教的な世俗性           第7章 神のない宗教

                     第8章 絶対性のない倫理

著者紹介

マーク・C・テイラー

1945, アメリカ・ニュジャージー州生まれ. 2007年より, コロンビア大学宗教学部教授. 脱構築神学の旗手と目される.著書に, 『キルケゴール仮名著作活動』(1975年), 『自己への旅──ヘーゲルとキルケゴール』(80年), 『反形状化──芸術, 建築, 宗教』(92), 『イマゴロギー──メディア哲学』(94), 邦訳に, 『さまよう──ポストモダンの非/神学』(邦訳, 岩波書店, 91年), 『ノッツ──デリダ, 荒川修作, マドンナ, 免疫学』(法政大学出版局, 96年)などがある.

 

須藤孝也(すとう・たかや)

1974, 生まれ. 97, 一橋大学社会学部(社会学専攻)卒業. 2000-02, 日本学術振興会特別研究員DC2. 2010, 一橋大学大学院社会学研究科博士課程社会学専攻修了, 『キルケゴールと「キリスト教界」』(創文社, 2014年)によって学位取得. 2014年より日本学術振興会特別研究員PD. 電気通信大学, 白梅大学非常勤講師.