2015年

7月

27日

超越のエチカ──ハイデガー・世界戦争・レヴィナス

世界戦争とホロコーストの後に倫理の根拠を問う、現代哲学の最前線

 

超越のエチカ

  ──ハイデガー・世界戦争・レヴィナス

横地徳広

 

2015年8月25日刊行 ISBN978-4-906791-48-4 C1012

A5判・上製 350頁 本体6400

 

■ 「なぜ人を殺してはならないのか」。アウシュヴィッツの後に、この問いに

答えることは可能だろうか。ハイデガーとその子どもたち、アレント、レヴィナスのはざまに立って、この根本的な倫理を語る根拠を、存在のエチカを据える台座を探す。

 

■ 実存と共同性、内在と超越、この古代に発し、いまもなお血が流れる問題と正面から取り組む。ナチス的ユートピアは、「決して起きてはならなかったこと」は、なぜ現実のものとなったのか。ハイデガーに至る西欧形而上学の歴史のどこにその端緒があったのか。

 

■ ハイデガー存在論の最も深い位相をくぐった果てに、世界戦争という今日のアクチュアルな問いを担って、批判的に語り始めようと苦闘した二つの道筋──アレントとレヴィナス。ここに現代哲学の最前線がある。

目次

  目 次

序 章 ハイデガーとレヴィナスのあいだで           第6章 凡庸な悪とその日常性

  

 Ⅰ 他者と時間                                               Ⅳ 近世存在論の超越論的構造

  ──ハイデガー、レーヴィット、レヴィナス        ──人間的構成力の臨界

第1章 レヴィナスのフライブルクへ                             第7章 認識論的転回の地平を求めて

第2章  ハイデガーのマールブルクへ                第8章 世界の時間と自由

 Ⅱ 役割としての人間                 Ⅴ 超越の倫理とレヴィナス

   ──ハイデガーのカント解釈にそくして            ──生き残りの視線

第3章 ホモ・ヌーメノンの実存感情                                第9章 感覚の享受、知識の倫理

第4章 道徳的人格性と物在性の交差           第10章 身体とその過去

 Ⅲ 第三帝国の存在論                    11章 差異の時間と身体

      ──アレントのハイデガー批判                      12章 顔の無限と場所の倫理

第5章 ナチス・ドイツの定言命法?                         終 章 世界への驚き、たまさかの生存

著者紹介

横地徳広(よこち・のりひろ)

1972年生まれ. 専攻, 倫理学・現象学. 2007, 東北大学大学院文学研究科博士課程修了(倫理学専修). 博士(文学). 現在, 弘前大学人文学部准教授. 著作:『生きることに責任はあるのか──現象学的倫理学の試み』(共編著, 弘前大学出版会, 2012, 論文:「〈いき〉と時間──九鬼周造試論」(『現象学年報』第27, 2012, 「アメリカ公民権運動の政治学──スマート・パワーの観点から読み解く」(『戦略研究』第15, 2015)ほか.