死後の世界――東アジア宗教の回廊をゆく

死んだ後、私はどうなるのか?

 

死後の世界――東アジア宗教の回廊をゆく

 

 

立川武蔵

 

 

2017年6月23日刊行 46判・上製246頁

本体2500円 ISBN978-4-906791-70-5 C0014

 

死んだ後、私はどこへいくのか。輪廻、浄土、涅槃……東アジアの宗教は「死」と向き合い、さまざまな「いのちの延長戦」を考えてきた。そこで人々はいかに生き、どのように救われるのか。比較宗教学の視点から、説き明かしてゆく。ヒンドゥー教、テーラワーダ仏教、チベット仏教、東アジアの死をめぐる図像イメージと象徴の回廊をめぐる。

構成、1死と尊厳の巻、2輪廻と成仏の巻、3いのちと浄土の巻、4涅槃とよみがえりの巻、5ふたたび死の巻。

目次

はじめに

1 死と尊厳の巻

 第1話 仏教と「いのち」─尊厳という考え方について

 第2話 なぜインドには墓がないのか─仏教と祖先崇拝

2 輪廻と成仏の巻

 第3話 輪廻について

 第4話 念仏を称えれば救われるのか?

 第5話 草や木に成仏はできるのか?

3 いのちと浄土の巻

 第6話 生命に目的はあるのか?

 第7話 死は終わりなのか?─「浄土に生まれる」ということ

4 涅槃とよみがえりの巻

 第8話 自分の「いのち」と他者の「いのち」─ブッダの

「ジャータカ」

 第9話 よみがえるブッダ─ボロブドゥール遺跡を見て

 第10 話 ブッダのイメージ

5 ふたたび死の巻

 第11 話 時間のゆらぎとしての死─ブディスト・テオロジーと死

   おわりに

著者紹介

立川武蔵(たちかわ・むさし)

 

国立民族学博物館名誉教授。愛知県名古屋市生まれ。1964 年名古屋大学文学部インド哲学専攻卒、1966 年同大学院修士課程修了、1967 年同博士課程中退、1970 年ハーバード大学大学院インド学科博士課程単位取得退学、1975 年?The structure of the world in Udayana’s realism’により同大学Ph.D.、1985 年「中論の思想」で名古屋大学文学博。1973 年名古屋大学助教授、1982 年国立民族学博物館助教授併任、1989 年名大および民博教授、1992 年総合研究大学院大学教授併任。2004 年3 月民博名誉教授。1991 年アジア・太平洋賞特別賞、1997年中

日文化賞、2001 年中村元東方学術賞。2008 年紫綬褒章。

2015 年瑞宝中綬章。

著書に『聖なるもの俗なるもの』(2006 年)、『マンダラ

という世界』(2006 年)、『仏とは何か』(2007 年)、『空

の実践』(2007 年)、『ヨーガと浄土』(2008 年)、『ヒン

ドゥー神話の神々』(2008 年)、『聖なる幻獣』(2009 年)、

『アジアの仏教と神々』(2012 年)、『ブッダから、ほとけへ』

(2013 年)、『ヒンドゥー教の歴史』(2014 年)、『聖なる

ものの「かたち」』(2014 年)、『弥勒の来た道』(2015 年)、

『ネパール密教』(2015)等多数。