「支配しない男」になる

DVの真相とは、性差別の本質とは、男の育児参加は少子化を止めるのか?

 

「支配しない男」になる

  夫婦別姓・育児・DV被害者支援を通して

 

    沼崎一郎

 

 

2019524四六判・並製 256頁 本体2400

ISBN978-4-906791- 86-6 C0036

 

暴力を選ばず、子育てに参加し、女性の自己実現のための法整備に挑む──そんなテッ

テイした「支配しない男」に私はなりたい。 

 東アジアをフィールドとする文化人類学者が、フェミニズムと出会い、育児に奮闘し、DV

被害者の救援活動に飛び込むなかで、ようやく育てた「私」とその生き方。薄皮をはがす

ように、自分自身と世間常識に潜んでいた差別と抑圧と暴力に気づいていく、そのプロセ

スを記録する。

  DVの真相とは何か、性差別の本質はどこにあるのか、男の育児参加は少子化を止める

のか、生活と実践を通して得た「答え」がここにある。

目次

 序 政治的なことは個人的である

 Ⅰ 結婚と家族

1章 「伝統」への挑戦

 ──日本の夫婦別姓論争を香港の平等継承権論争と比較して

第2章 司法の場での夫婦別姓論争

  コラム1 「ニュー選択的夫婦別姓訴訟」をめぐって

 Ⅱ 男にとっての妊娠・出産・育児

3章 〈産ませる性〉の義務と権利

      ──男性にとってのリプロダクティブ・ヘルス/ライツを考える

4章 家事・育児する男は少子化を止めるか?

   コラム2 父親の育児があたりまえの社会

 Ⅲ ドメスティック・バイオレンス(DV)

5章 愛と暴力

        ──ドメスティック・バオレンスから問う親密圏の関係倫理

6章 被害者が加害者に変わるとき

     ──被害者にかかわるすべての人に求められるDV理解

 コラム3 DV加害者の実像と求められる対策

 

 結 個人的なことは(やはり)政治的である

著者紹介

沼崎一郎

 

1958年宮城県生まれ. 東北大学文学部卒. 91,ミシガン州立大学大学院博士課程修了、92, Ph.D.取得。現在, 東北大学文学部教授. 専攻, 文化人類学. 主なフィールドは台湾, 香港. 1986-89, 台湾中央研究院民族学研究所訪問学員としてフィールドワークを行う. 日本では, 女性への暴力に取り組む市民運動とアドヴォカシー活動に参加. 著書, 『キャンパス・セクシュアル・ハラスメント対応ガイド──あなたにできること、あなたがすべきこと』(嵯峨野書院, 2001, 『なぜ男は暴力を選ぶのか ──ドメスティック・バイオレンス理解の初歩』(かもがわブックレット, 2002, 『台湾社会の形成と変容──二元・二層構造から多元・多層構造へ』(東北大学出版会, 2014)ほか.