海がたり黒潮ストリート

海の向こうに、21世紀を生き抜く力の泉が見える──海洋冒険者が、裸の感性と身体感覚でつむぐ、「かたり」と「祈り」

 

 

海がたり 黒潮ストリート

 

平田 毅

 

 

20201224日刊行予定 四六判・並製 280頁 本体2000ISBN978-4-910154- 12-1 C0095

 

 

カヤックを突き上げる波、踊らせるうねり、海のラーガ(旋律のうねり)とビートに身をゆだね、噓のない生命感と繊細な身体感覚を研ぎ澄ませて、「海」をかたり、文明の危機と向き合う。

延べ三千日以上、シーカヤックとともに黒潮の上にあった冒険者による、壮大なスケールの黒潮文明論──紀州・熊野から出雲、九州西岸(平戸島、五島列島、甑島)へ、そして奄美から琉球へ、その道は列島の自然文化と歴史の成り立ち、さらには祈りと祭りの起源をたどる「いのちの海旅」であった。

 

原発事故やコロナ禍が語る人類史的な危機を乗り越えるための、黒潮回廊のヴィジョン、21世紀は環境の世紀であり、「面白い時代」になる……

目次

 序章 黒潮ストリートと黒潮フリーウェイ

 I  黒潮ストリートの発見

1章 クロス・ボーダー列島

2章 裸のヤポネシア

 Ⅱ 黒潮ストリートの独創性

3章 震える身体細胞から

4章 生き抜くために││開放性と閉鎖性

 Ⅲ 黒潮ストリートの新しい文化

5章 火のトライアングルをめぐって

 

6章 人と文明のサヴァイブのために 

著者紹介

平田 毅(ひらた・つよし)

1970年、兵庫県明石市生まれ。プロのシーカヤッカー。単独日本一周航海ほか、世界20カ国におよぶカヤック・トリップを経験。その海の旅から、独自の生命感を立ち上げ、文化論へと説きおよぶ書、『インスピレーションは波間から──自然の教えを知るシーカヤック地球紀行』(めるくまーる、2019)を書き下ろす。本作はその前作と「対」になる作品である。両作品を皮切りに、野生の感性と知性の総合を試みる、まったく新しいタイプの海洋冒険者として、文筆活動を本格化。紀州・湯浅町のアウトドアショップ「アイランドストリーム」代表。シーカヤックを中心に、トレッキング、キャンプなどのツアーを企画し、自然の素晴らしさといのちの歓びを広く伝えている。