新しい「いのちの宗教哲学」のために。
生命の倫理と宗教的霊性
海老原晴香・長町裕司・森 裕子 編
2018年2月25日刊行 A5判・上製 344頁
本体予価6400円978-4-906791-78-1 C1012
自然環境の破壊が進み、次の世界戦争すら取り沙汰される時代に、「生命の倫理」はその基礎をどこに求めればよいのか。いのちを育む宗教的霊性の息吹をどこに汲めばよいのか。芸術、哲学、宗教の三つの位相にわたってこの問いを探求するべく、七人の著者がスクラムを組んだ。
モーツァルトの音楽、日本の仏教美術、中世の『創世記』写本にいのちの調べを聴き、アシジのフランシスコ、ノリッジのジュリアン、マイスター・エックハルトらの宗教思想に霊性のあらわれを読み、西田幾多郎、ハンス・ヨナスの哲学に隘路を突破するための戦略を学ぶ。
目次
序 いま、問われる命から〈いのちの宗教的霊性〉へ
Ⅰ 〈いのちの霊性〉の芸術
第一章 霊性の道としての音楽
第二章 フランスにおける日本仏教美術研究への概観
第三章 中世文学作品における「いのち」の表れ
Ⅱ 「命の倫理」をひらく
第四章 悲哀と表現
第五章 アシジのフランシスコとマイスター・エックハルトにおける「貧しさ」
第六章 ハンス・ヨナスの倫理学における「乳飲み子」の意義
Ⅲ 〈いのちの霊性〉と「いのちの宗教哲学」
第七章 エックハルトにおけるペルソナ性と非ペルソナ性
第八章 神との出会いに養われるいのち
第九章 「生命」の宗教哲学の可能性〈と〉「いのち」の宗教的霊性
著者紹介
編者・海老原晴香(えびはら・はるか) 白百合女子大学専任講師.
長町裕司(ながまち・ゆうじ) 上智大学文学部哲学科教授.
森 裕子(もり・ひろこ) 上智大学神学部神学科准教授.