虹と空の存在論

書き下ろし・「日常」と「常識」の再生へ

 

虹と空の存在論

      

飯田 隆

 

 

 

2019年1125日刊行 本体価格2300円

46判・上製 240頁 ISBN9784906791934C0010  

 

 虹と空、それは「もの」なのか、それとも出来事なのか。馴染んだ現象でもなく、仮象でもないとすれば、その存在についてどのように語ればよいのか。神話の語り口から現代科学の知見まで、あらゆる領域を遊動しつつ、未知の思考の次元を拓こうとする。

 認識論、知覚論、存在論……既存の枠組みを揺さぶる哲学、著者の師、大森荘蔵のオリジナルな方法に学びつつ、それを批判的に定位し直そうとする。それは常識をいったん破壊し、そしてさらにレヴェルを異にする「日常」のリアリティを回復する道でもあった。

 

 存在への試行としての「科学の哲学」。

目次

Ⅰ 虹と哲学

 

Ⅱ 出来事としての虹

 

Ⅲ 虹の存在論的錯覚

 

Ⅳ 知覚から客観的実在へ 

 

Ⅴ 空の存在論

著者紹介

1948, 札幌市生まれ. 78, 東京大学大学院人文科学研究科(哲学専攻)退学. 91, 千葉大学文学部教授, 98, 慶應義塾大学文学部教授, 2010, 日本大学文理学部教授を歴任. この間, 科学基礎論学会理事長, 日本哲学会会長を務めた. 現在, 慶應義塾大学名誉教授.

著書:『言語哲学大全』Ⅰ−Ⅳ(勁草書房, 1987-2002, 『ウィトゲンシュタイン──言語の限界』(講談社, 1997, 『新哲学対話──ソクラテスならどう考える?』(筑摩書房, 2017, 『日本語と論理──哲学者, その謎に挑む』NHK出版, 2019ほか, また『ウィトゲンシュタイン読本』『知の教科書 論理の哲学』ほか編著多数。